中川亜純 原作: あさのあつこ
PIANISSIMO COMICS ポプラ社
同名原作を漫画化。温泉旅館「ほたる館」の孫娘として仕事を手伝う一子は
言いたいことをはっきりと言う小学5年生。登下校中に親友の雪美と会話するシーンが
随所に盛り込まれ、一子が旅館で受けた様々なストレスを吐露する場となっています。
聞き上手の雪美は一子とは対照的な性格でやや内気気味。各話ごとの
ストーリーの本筋は旅館内で起きたエピソードにありますが、徐々に
一子と雪美との間のフラグが蓄積されてゆく構成が読む側を引きつけます。
物語が動き始めるのは、雪美が芸者の子ということで学校でいじめられるあたりから。
事実を知って責任感に苛まれる雪美の母はほたる館の女将に励まされ、
女将はそのままいじめ問題の解決を一子に投げます。女将ナイス立ち回り。
一子は対処の仕方に悩みますが、雪美母の演奏を別部屋で雪美と一緒に聴き、
雪美の考えを聞き、いじめっ子を退治することで友情を深いものとしたようです。
いじめっ子がいじめていた原因が雪美にばかり構う先生への嫉妬からというのは、
なかなか寓意的かもしれません。一子と雪美が受験で別れてしまう可能性が
回避されたところで、第1巻は終了しています。2人の関係はまだまだこれからですね。
extraにある一子と雪美のほたる探しは、やや絵本チックですが、どうみてもデートです。