「リリイの籠」
著:豊島ミホ
光文社
女子高を舞台に、女の子同士のキラめく感情の交差を描く連作短編集。
「銀杏泥棒は金色」
美術部の県展へ出す絵に、好きなものを描こうと考える春。窓越しに見つけた
銀杏泥棒の加菜をモデルにスカウトし、すこしずつ仲良くなっていきます。
2人の様子を見た先生の「……ほどほどにしなよ?」が妙に意味深に思えるのですが。
春は完成した加菜の絵をラブレターとして、加菜に見せるために駆け出します。
「ポニーテール・ドリーム」
化学のえみ先生が、体育の室井先生に服をほめられてデレデレしてます。
……と思いきや、室井先生は婚約済みであることが判明。美容室でポニーテールを
切ってもらうえみ先生は、どうみても失恋しています。新しい服も新しい髪形も、事前に
提案していたのは生徒の由貴。プリクラにも誘い、着実に距離を近づけつつあります。
「忘れないでね」
お別れシーンに始まる本作。ホームで涙を流すカナミの姿は、転校少女の美奈が
新天地で真琴と仲良くなり始めた頃に夢で見るようになった3年前の事象でした。
転校を機に人間関係がリセットされる立場から、知らず知らずのうちにクラスで
"付き合いづらい"生徒に声をかけていたのだそうです。それなりにうまく行ってますが。
「ながれるひめ」
美術部の小百合先生と同じ学校へ教育実習に向かう妹の藍。
小さい頃はお姫様「あいひめ」を姉に描いてもらって可愛がられていた藍でしたが、
藍の側から壁を作るような状態に。次第に進む姉への理解が、雪解けをもたらしています。
「いちごとくま」
里加と実枝はどちらも彼氏持ち。クラスで人気者の実枝に反目したり、
実枝の彼氏の顔を見なかったことに安堵したりと、どうやら里加は
実枝をひとり占めにしたいという願望を持ち合わせているようです。
本人は嫉妬じゃないと話していますが、嫉妬も入ってるのかもしれません。
「やさしい人」
高校在学中は印象の薄かった芙見のことが、どんどん気になってゆく歩。
卒業から10年後の同級会を機に再会した2人は、開会前に母校を訪れます。
2人の会話は、ささやかともいえる当時の交流を両者がともに大切にしていたことを
明らかにしています。控えめな芙見のわがままを、歩は受け入れようと考えます。
「ゆうちゃんはレズ」
レズ疑惑の上がるゆうちゃんから告白される明子先輩。なんとなく付き合い始めるうちに、
ゆうちゃんのことではなく、「ゆうちゃんが私を好きな気持ち」が好きになっていきます。
見返りの無さを指摘するゆうちゃん、遅れて後悔し始める明子先輩。
女子校特有の切ない空気感について語られるくだりがあります。
全作とも、女性間の感情の交差が物語の主題に据えられているようです。
普段は表面に出ない負の感情が言語化されており、一義的でない心情の
描かれ方が、それぞれのストーリーに特徴を与えているのかもしれません。
ラストの「ゆうちゃんはレズ」は書き下ろし。百合が好きな方向けなのか、
甘ったるくサービス増量にされている印象があります。まともに告白している
シーンがあるのは本作くらいですし。この勢いなら、ハッピーエンドにしてもよかった
ような気もします。全体的に人間関係にはバリエーションがつけられていると思います。
光文社
女子高を舞台に、女の子同士のキラめく感情の交差を描く連作短編集。
「銀杏泥棒は金色」
美術部の県展へ出す絵に、好きなものを描こうと考える春。窓越しに見つけた
銀杏泥棒の加菜をモデルにスカウトし、すこしずつ仲良くなっていきます。
2人の様子を見た先生の「……ほどほどにしなよ?」が妙に意味深に思えるのですが。
春は完成した加菜の絵をラブレターとして、加菜に見せるために駆け出します。
「ポニーテール・ドリーム」
化学のえみ先生が、体育の室井先生に服をほめられてデレデレしてます。
……と思いきや、室井先生は婚約済みであることが判明。美容室でポニーテールを
切ってもらうえみ先生は、どうみても失恋しています。新しい服も新しい髪形も、事前に
提案していたのは生徒の由貴。プリクラにも誘い、着実に距離を近づけつつあります。
「忘れないでね」
お別れシーンに始まる本作。ホームで涙を流すカナミの姿は、転校少女の美奈が
新天地で真琴と仲良くなり始めた頃に夢で見るようになった3年前の事象でした。
転校を機に人間関係がリセットされる立場から、知らず知らずのうちにクラスで
"付き合いづらい"生徒に声をかけていたのだそうです。それなりにうまく行ってますが。
「ながれるひめ」
美術部の小百合先生と同じ学校へ教育実習に向かう妹の藍。
小さい頃はお姫様「あいひめ」を姉に描いてもらって可愛がられていた藍でしたが、
藍の側から壁を作るような状態に。次第に進む姉への理解が、雪解けをもたらしています。
「いちごとくま」
里加と実枝はどちらも彼氏持ち。クラスで人気者の実枝に反目したり、
実枝の彼氏の顔を見なかったことに安堵したりと、どうやら里加は
実枝をひとり占めにしたいという願望を持ち合わせているようです。
本人は嫉妬じゃないと話していますが、嫉妬も入ってるのかもしれません。
「やさしい人」
高校在学中は印象の薄かった芙見のことが、どんどん気になってゆく歩。
卒業から10年後の同級会を機に再会した2人は、開会前に母校を訪れます。
2人の会話は、ささやかともいえる当時の交流を両者がともに大切にしていたことを
明らかにしています。控えめな芙見のわがままを、歩は受け入れようと考えます。
「ゆうちゃんはレズ」
レズ疑惑の上がるゆうちゃんから告白される明子先輩。なんとなく付き合い始めるうちに、
ゆうちゃんのことではなく、「ゆうちゃんが私を好きな気持ち」が好きになっていきます。
見返りの無さを指摘するゆうちゃん、遅れて後悔し始める明子先輩。
女子校特有の切ない空気感について語られるくだりがあります。
全作とも、女性間の感情の交差が物語の主題に据えられているようです。
普段は表面に出ない負の感情が言語化されており、一義的でない心情の
描かれ方が、それぞれのストーリーに特徴を与えているのかもしれません。
ラストの「ゆうちゃんはレズ」は書き下ろし。百合が好きな方向けなのか、
甘ったるくサービス増量にされている印象があります。まともに告白している
シーンがあるのは本作くらいですし。この勢いなら、ハッピーエンドにしてもよかった
ような気もします。全体的に人間関係にはバリエーションがつけられていると思います。
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